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『丙申堂』 (国指定重要文化財)

明治29年、七代目当主の風間幸右衛門が、店舗兼住宅として建てました。

この年の干支が丙申(ひのえさる)であったことから『丙申堂』と名付けられました。

見どころ

敷地800坪、建坪380坪 部屋総数19室 蔵3棟 内蔵1

屋根:この家の見どころの第一は「杉皮葺きの石置屋根」です。杉皮を五枚重ねにして屋根を葺き、平らな石を置いた屋根。明治の頃はこの地方でよくあった形式の屋根ですが、今となっては、酒田の『鐙屋』と2軒だけとなった貴重な屋根です。約4万個の石が置かれています。

座敷:天井が高く、長押が二段になっています。風通しが良く、夏は冷房無しで充分に過ごせます。

板の間の梁:約60畳の板の間の梁は、三角形を複雑に組んだトラス工法(洋式)と和式のトラス工法が組み合わさって出来ている珍しい造りになっています。丙申堂が建築される2年前(明治27年)に酒田大地震があり、当時の大工さんが耐震構造を考えてこのようにしました。

大工部屋:丙申堂を建てたのは新潟県府屋(現在の村上市府屋)の大工さんです。当時は交通の便が悪く大変だったので、営繕のために常時2~3名がこの部屋に寝泊まりしていました。

とおり:店から見通すことのできる「とおり」の眺めも見どころの一つです。長押(なげし)や天井の竿縁(さおぶち)は八間の一本物の杉材を使用しています。

金庫蔵:日本製の金庫が3つと、ベルギー製の金庫が1つあります。日本製の金庫は、日本で最初に金庫を作った「竹内製造」の金庫で、ダイヤルが現在のような数字ではなく「イロハ二ホヘト・・・」

になっています。

小座敷:お客様用に造られた部屋で、戸の造りや釘隠しのデザインなど凝った造りになっています。

また、お客様専用に造られた有田焼の陶器を使ったトイレもご覧いただけます。

この部屋では、映画『蝉しぐれ』の撮影にも使われました。

他にも、仏間・上座敷・板の間などで『必死剣 鳥刺し』や『スノープリンス』の撮影も行われました。

 

 

『無量光苑 釋迦堂』 (国登録有形文化財)

明治43年、風間家の別邸として建てられ、主にお客様のご接待に使われました。

この建物の創建時より「無量光」(黄檗宗の三筆と称せられた木庵の書)を掲げてあったので八代目当主が建物と庭園を含めて「無量光苑」と名付けました。さらに九代目当主が東京帝国大学印度哲学学科・常盤大乗師より寄贈された石仏釋迦像を安置し、現在の建造物および庭園を含めてこの名をつけました。

敷地820坪 建坪24坪 日本庭園

建物は、木造平屋建、妻入、入母屋造、銅版葺で、構造については基本的には非常に良質な杉材を主体としており、丙申堂の小座敷の構造細部に類似しています。

別邸建築を考える上で非常に貴重な遺構と言われています。

見どころ

別邸の見どころは庭園です。

四季折々に表情を変えるお庭をゆっくりとご覧ください。

5月のツツジの見事さや、この庭園のシンボルのひとつの花梨について説明したり、季節によって説明も変化します。

松・桜・椿・梔子・萩・暖竹・孟宗・栗・紅葉等々、数十種の花木がございます。

 

 

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